2010.02.22 Monday
TEDxRyukyuレポート その1
気合いのレポートなので、開催終わってから若干時間経っているのはご勘弁。
2010年2月20日(土)
日本では3番目の開催となる、TEDx(テッドエックス)が沖縄で開催されることになりました。
題して
TEDxRyuKyu
TEDはテクノロジー、エンターテイメント、デザインを表しています。
TEDの詳細について、まずはWikipediaの説明を見て下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/TED_%28%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%29
それから、公式サイト
http://www.ted.com/
現在のTEDのキュレーター、クリス・アンダーソンはTEDを「知的全身マッサージ」と称しています。他に「楽天家のためのダボス会議」とも言われているとか。後者は僕にぴったりですね(笑)
TEDxRyuKyuについても公式サイトはじめ、Twitterやブログレポート等は、特に「ず」さんの「まとめ」がありますので、こちらも合わせてご覧下さい。
ず’s:TEDxRyukyu 2010関連情報まとめ
http://www.zukeran.org/shin/d/2010/02/22/tedxryukyu-2010-information-links/
そういや、「ず」さん、会場で探したけど見かけなかったな。どこいたんだろ?
さて。
僕個人から見たTEDxRyuKyuの感想を。
TEDx自体は日本では3回目という事ですが、もちろん僕は初めての参加です。
とは言ってもTEDを全く知らなかった訳ではなく、ネットで公開されている動画を見た事はありましたし、さらに「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」にもTEDの事が書かれていたので、TEDへの興味は非常に高くなっていたタイミングでした。
沖縄での開催を知った時(TEDxRyukyuオーガナイザーの久島さんがmixiでマイミクだったので)には、「これは是非参加するしかない!」と考えていました。
参加応募エントリー開始と同時にエントリー。抽選(審査?)で70名近いキャンセル待ちが出る中、奇跡的に通過して、参加する事になりました。
参加出来なかった人のためにも、iPhone持ってTwitterする僕としては、ほぼ実況に近い形で、Tweetしようと考えておりました。(プレゼンの撮影は禁止でしたが、概ねTwitterとかはやってもらって構わないという事前説明がメールにて開催前にありました。)
TEDxRyuKyuについては、何人か事前に「参加します」話を聞いていましたし、仕事柄、結構いろんな分野で顔を合わせている人もいるので、知っている人が結構いるのではないかと予測していましたが、9:30の開場受付から若干遅れて9:40頃、僕が到着した頃には、確かに何人も知っている人はいましたが、圧倒的に知らない方が多く、自分の世間が沖縄県内に限っても、まだまだ狭いと痛感することになりました(笑)。
10:00、プログラムスタート
携帯電話の電源は切るかマナーモードにして下さいとか、会場内の飲食禁止とか、 簡単な説明が足早にされると、まずは本家TEDの現在のキュレーター、クリス・アンダーソンによるTEDxについての説明。内容は、TEDx楽しんでね!的な話。
その後、TEDでは、プレゼン前にプレゼンターの紹介とかはしないようで、本当にいきなり始まります。 主催者側から、その点についてはちょっと解説がありました。
ビデオもリアルも区別なく体験して下さいとのこと。
最初はビデオでのBruno Bowden氏による折り紙と音楽のコラボレーション。
日本語版
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/bruno_bowden_folds_while_rufus_cappadocia_plays.html
音楽とコラボレーションしながら、目隠しで折り紙を折って見せて終わり。という、ちょっと一発芸的なものです。まずはジャブといったところでしょうね。
冒頭に物凄いTED TALKがきちゃうと、沖縄側のプレゼンターもやりにくいでしょうし、全体を通してのプログラムバランスから結構考えられている気がしました。
続いてはビデオでなくリアル。
沖縄から萩野一政氏による地域情報についてのプレゼンテーション。
萩野一政さんは、NPO法人沖縄イベント情報ネットワークの理事で、ネットの「ウルマックス」とフリーペーパー「箆柄暦」(ぴらつかこよみ)を出されている方。
沖縄イベント情報ネットワークが、これまで行ってきたことと、これから行う事をプレゼンしていました。何より一番驚いたのが、掲載件数が毎月1,500件以上掲載して、そのスタッフが、たったの2名だとう事実。凄すぎる。で、このイベント情報インフラをNPOにして公開するので、皆さん是非利用しあって行きましょう。という話。意義深いし、面白そうです。
お次はビデオ。
Jacek Utko氏による「デザインから新聞を変える」
日本語版
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/jacek_utko_asks_can_design_save_the_newspaper.html
「新聞の未来」については、実は前から興味深く考えていました。
というのも、最近、沖縄で制作される映画に地元の新聞社が出資するケースが出てきており、東京で行われているメディアミックス展開の、ローカル版が出来ないか?というのを常々考える中で、新聞の未来についても考える機会があったからです。
Jacek Utko氏はワルシャワのビジネス紙「Puls Biznesu」という新聞をリデザインされた方ですが、もちろん僕は知りませんでした。
興味深かったのは、活字だらけの新聞をリデザインするきっかけがシルクドソレイユの公演を観て「大道芸でも最高のパフォーマンスとしてアートに出来るのだから、新聞だって出来るに違いない」と考えて、リデザインしたというところ。
実際に、ビデオではリデザインされた新聞の映像が映し出されますが、正直なところ「所有したい!」と思わせるものばかりでした。
新聞と言うよりも、一つのポスターのようにしたのが秘訣で、数々のデザイン賞の受賞、そして何より、実際に部数が増えた。とのこと。
そして最後の教訓。
(1)デザインは変える事が出来る。製品だけでなく、全て。会社さえ。
(2)小さな国の小さな会社で、予算もスタッフもない状況でも、仕事のやりようによっては、誰でも最高のレベルに達する事が出来る。
素晴らしい。
僕はデザインの現場からかなり離れてしまったけど、その意識は持っていたい。と素直に思いました。あと、やっぱり新聞には新聞の、別の形の未来があるような気もしました。
個人的には、「記事やタイトルを作るスキルの開放」とか、新聞社の可能性として考えられると思います。
と、このあたりになって、初めて自分の大誤算を知りました。
僕は、プレゼンが15分前後というのは知っていたのですが、プレゼンとプレゼンの間には5分くらいの休憩が入るものだとばかり思っていました。
が、実際は、ノンストップでした。
プレゼンターの紹介もありませんから、本当に息つく暇をほぼ与えず、次から次へとプレゼンが続きます。頭の中で、直後のプレゼンについて考えを整理したりする時間もありませんし、プレゼンそのものも短い分、情報が凝縮されているので、数秒でも目を離すと大事な部分を聞き逃す可能性も高いんです。 Twitterする間もありません。Mac持って行ったならまだしも、iPhoneのキーボードでちまちま打ってる暇は確実にないんです。(フリック入力、練習しようかなぁ…)
Twitter実況しようと思っていた僕は、それを断念せざるを得ませんでした。
次はリアル。
写真家の東松照明氏による「アフガニスタン」
どんな方かは、ググって下さい。著名な写真家の方です。
ご自身が撮影したアフガニスタンの写真を見せながら、撮影時の状況や背景を解説する形でプレゼンは進みました。
当然、僕はアフガニスタンの予備知識は殆どなし。なので、文化的な背景を聞くのも知見が広がりますし、プロの写真家の写真というのは、どんな方の写真にせよ、その構図の撮り方とか 個人的にも、何枚も「おお!」と思う写真がありました。 興味深く見る事が出来ました。いわゆる政治的なメッセージのある写真というよりも、そこで暮らす、普通の人々が被写体になっていました。
続いてもリアル。
具志堅隆松氏による「ガマフヤーと不発弾」
沖縄での遺骨収集の現状とこれからの話。実際の不発弾(信管が外され、火薬の抜かれたもの)を会場に持ち込んできてらっしゃったので、本物を見る事が出来ました。
遺骨収集の現場の話的には、日本兵が殆ど。しかも、手榴弾によって自決しているものが多い。という話。胸に手榴弾を抱き、正座するような形なので、背中側の骨と下半身の骨しか残っていない。顎の骨も吹き飛んでいる。とか。
で、不発弾処理の話。以前は海に捨てていたけど、法律が変わって、海に捨てられなくなったため、国の委託を受けた企業が処分するようになった。
なので、国からの委託費>不発弾処理企業となり、金儲けの道具になっている。
何しろ、沖縄に埋まっていると予想される不発弾を計算と、処理出来る数を計算すると後80年もかかる。これを沖縄で処理施設を作り(現在は九州に運んでいる)NPOでオープンにして委託を受け、収益は難病の子供とか、人を生かす形の基金として活用したい。という話。
早速Twitterでは、「沖縄で処分する方が高効率とは限らないじゃん。」とかの呟き発生。また、具志堅氏のプレゼンで「NPOなので、全部オープンにするし、出来るんです。私は会計監査を共産党にお願いしたいくらいだ。」という発言があったのを受けて、TEDに(例え冗談でも)政治的な話が出るのは如何なものか?という指摘がありました。
僕としては「不発弾の処理施設は沖縄に作るべき」には素直に賛同。但し、それは、教育的な意味合いで、学校の授業としてや、一般県民や観光客が見る事の出来る場所である方が、「戦後処理というのが如何に時間のかかるものなのか」を広く伝える意義があると思うからです。基金についてはやや懐疑的。というのも、原資となるのが、仮に国からの不発弾処理委託の予算であるのならば、つまり税金なわけですから「なるべく使わない」方がいい。安い方がいい訳です。企業が入札(実際どうやって業者決定しているのかは不明)によってNPOよりも安く出来るなら、企業に任せた方がよろしい。
NPOが実業務的には安く不発弾処理し、高い価格で国から委託費を得て儲ける事を考えるのであれば、かなり問題ありです。
その意味でも、施設を沖縄に作って、反戦教育的観光地として入場料を取り、収益はそこから得るから、むしろ「不発弾処理の委託にかかるお金は殆どいらないし(極論、無料でもいい)入館料等で余分に得た収益は基金にも回す。」とした方が良いのでは?とか考えました。
「共産党発言」は、ライブであるという面から、TEDxRyuKyu事務局側が事前に把握出来なかった事でしょうが、確かに政治的に中立であるとするTEDのコンセプトから考えると良くないでしょう。ビデオを公開するのであれば、考慮すべき問題ですね。
しかし、政治的発言という意味においては、この日の後半にあった、ダニエル・リベスキンド「建築の17のインスピレーション」 (詳細は後述) において、(英語では何と言ってるか微妙ですが)少なくとも字幕では「私は民主主義を信じています。私は全体主義国家のために作られた美しい建物が嫌いです。そこでは人々は話すことも、投票する事も何も出来ません(中略)しかし、人々に自由を与えない社会の貧困を考えるとき、私はこのような建物を賞賛することが出来ません。」という発言にも、同じく、ちょっとした違和感を感じました。いや、 ダニエル・リベスキンド氏が個人的に賞賛しなくても良いですし、氏の発言は「賞賛されすぎ」という現状へのカウンターで、発言なさっているとは思います。しかし、それを言ったら民主主義以前の建築は全部否定されていまいます。日本の城を作ったのは、殿様なのか職人なのか?意匠は職人にあり、意匠と政治は切り分けて考えたいです。
あ!もちろん私自身は民主主義は今のところ「ベストではないがベターな答え」であると思っていますし、民主主義であるこの時代、この日本、沖縄に生まれた事は幸せだと思っています。
続いてはビデオ。
戦争写真家James Nachtwey氏による「戦争写真の衝撃」
日本語版
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/james_nachtwey_s_searing_pictures_of_war.html
各国の戦争・紛争の写真と共に、その状況の解説。
これは、もう、何と言うか、僕の言葉では説明出来ません。ゴメンナサイ。
こういった紛争や戦争をテーマにした映画も、報道写真家の映画も、僕は幾つも見ています。ルワンダで使われた蛮刀(英語だとマチェテmacheteかな)の山を見て、「ホテル・ルワンダ」を思い出したり、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を扱った「ハンティング・パーティ」とか、色々思い出しました。それらは事実がベースにあるものの、やはり作品として脚色されています。「ハンティング・パーティ」なんか、コメディ要素強いし。本物には勝てません。
平和な時代の平和な場所にいると、普段意識する事はあまりないのですが、 人類は毎日のように、地球のどこかで戦争や内紛によって多くの人を殺し、不幸な人々を大量生産しています。今は次の戦争の戦前でしかないのかも知れません。
東松照明氏、具志堅隆松氏、James Nachtwey氏の流れは「戦争を考える」という、主催者側が提示した文脈として「沖縄開催の意味」に繋がるものだと思います。
ここで午前の部終了。1時間の休憩。
ランチタイムは、お弁当が無料で配布されました。なお、開始の段階からコーヒーや水、お茶、ちょっとした茶菓子も無料で提供されています。
飲食物だけでなく、TEDxRyuKyu開催については、様々なサポート協賛があったようです。詳細は公式サイトを御覧下さい。
http://www.tedxryukyu.com/thanks.html
こういった事に太っ腹な協賛をしてくれる各企業は、素直にリスペクトです!
僕自身、これから何かの時には、協賛企業の商品やサービスをなるべく買ったり使ったりしますし、皆さんも、こういった偉い企業は積極的に褒めて下さい。次回はあなたが参加するかも知れないのですから。
弁当は幾つか選べたようですが、そもそも食事の場所が参加人数に対して小さいため、かなりの混雑だったので、特に選ばず、手前にあった玄米弁当を取りました。

味は、無料で配布される弁当としては、充分に美味しい方だと思います。
…まぁ、食事は有料でも個人的にはいいと思ったのですが、後で主催者に聞いたら、TEDxでは飲食を無料で配る事が決まっているみたいですね。
通常のTEDカンファレンスは、年会費6千ドル(今だと60万円未満か)なので、そりゃあ、飲み物も食べ物も凄いんでしょうけど。
ランチタイムは、喫煙したり、弁当食べたり、Twitterしたり、他の参加者とお話したりしました。他の参加者を紹介してくれる方もいたりしたのですが、あまり話す時間はなかったのが、ちょっとだけ残念。本当は数日やってくれると、もっといいけど(笑)、TEDxTokyoも1日だけだったし、もしかしたらTEDxは1日だけしか出来ない決まりがあるのかも。

あと、前半戦で気になったのは会場の寒さ。気温的な意味で。
当日朝は確かに結構寒かったのですが、日が昇ると外は暖かくなっていました。しかし会場は暖房がないとのことで寒いまま。設備がないのですから、誰にもどうする事も出来ず、結局TEDxRyukyuは、一日中寒いままでありました。中身は熱かったんですけどね。
そしてお昼時間は瞬く間に終了し、午後の部がスタートするのでした。
<つづく>
2010年2月20日(土)
日本では3番目の開催となる、TEDx(テッドエックス)が沖縄で開催されることになりました。
題して
TEDxRyuKyu
TEDはテクノロジー、エンターテイメント、デザインを表しています。
TEDの詳細について、まずはWikipediaの説明を見て下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/TED_%28%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%29
それから、公式サイト
http://www.ted.com/
現在のTEDのキュレーター、クリス・アンダーソンはTEDを「知的全身マッサージ」と称しています。他に「楽天家のためのダボス会議」とも言われているとか。後者は僕にぴったりですね(笑)
TEDxRyuKyuについても公式サイトはじめ、Twitterやブログレポート等は、特に「ず」さんの「まとめ」がありますので、こちらも合わせてご覧下さい。
ず’s:TEDxRyukyu 2010関連情報まとめ
http://www.zukeran.org/shin/d/2010/02/22/tedxryukyu-2010-information-links/
そういや、「ず」さん、会場で探したけど見かけなかったな。どこいたんだろ?
さて。
僕個人から見たTEDxRyuKyuの感想を。
TEDx自体は日本では3回目という事ですが、もちろん僕は初めての参加です。
とは言ってもTEDを全く知らなかった訳ではなく、ネットで公開されている動画を見た事はありましたし、さらに「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」にもTEDの事が書かれていたので、TEDへの興味は非常に高くなっていたタイミングでした。
沖縄での開催を知った時(TEDxRyukyuオーガナイザーの久島さんがmixiでマイミクだったので)には、「これは是非参加するしかない!」と考えていました。
参加応募エントリー開始と同時にエントリー。抽選(審査?)で70名近いキャンセル待ちが出る中、奇跡的に通過して、参加する事になりました。
参加出来なかった人のためにも、iPhone持ってTwitterする僕としては、ほぼ実況に近い形で、Tweetしようと考えておりました。(プレゼンの撮影は禁止でしたが、概ねTwitterとかはやってもらって構わないという事前説明がメールにて開催前にありました。)
TEDxRyuKyuについては、何人か事前に「参加します」話を聞いていましたし、仕事柄、結構いろんな分野で顔を合わせている人もいるので、知っている人が結構いるのではないかと予測していましたが、9:30の開場受付から若干遅れて9:40頃、僕が到着した頃には、確かに何人も知っている人はいましたが、圧倒的に知らない方が多く、自分の世間が沖縄県内に限っても、まだまだ狭いと痛感することになりました(笑)。
10:00、プログラムスタート
携帯電話の電源は切るかマナーモードにして下さいとか、会場内の飲食禁止とか、 簡単な説明が足早にされると、まずは本家TEDの現在のキュレーター、クリス・アンダーソンによるTEDxについての説明。内容は、TEDx楽しんでね!的な話。
その後、TEDでは、プレゼン前にプレゼンターの紹介とかはしないようで、本当にいきなり始まります。 主催者側から、その点についてはちょっと解説がありました。
ビデオもリアルも区別なく体験して下さいとのこと。
最初はビデオでのBruno Bowden氏による折り紙と音楽のコラボレーション。
日本語版
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/bruno_bowden_folds_while_rufus_cappadocia_plays.html
音楽とコラボレーションしながら、目隠しで折り紙を折って見せて終わり。という、ちょっと一発芸的なものです。まずはジャブといったところでしょうね。
冒頭に物凄いTED TALKがきちゃうと、沖縄側のプレゼンターもやりにくいでしょうし、全体を通してのプログラムバランスから結構考えられている気がしました。
続いてはビデオでなくリアル。
沖縄から萩野一政氏による地域情報についてのプレゼンテーション。
萩野一政さんは、NPO法人沖縄イベント情報ネットワークの理事で、ネットの「ウルマックス」とフリーペーパー「箆柄暦」(ぴらつかこよみ)を出されている方。
沖縄イベント情報ネットワークが、これまで行ってきたことと、これから行う事をプレゼンしていました。何より一番驚いたのが、掲載件数が毎月1,500件以上掲載して、そのスタッフが、たったの2名だとう事実。凄すぎる。で、このイベント情報インフラをNPOにして公開するので、皆さん是非利用しあって行きましょう。という話。意義深いし、面白そうです。
お次はビデオ。
Jacek Utko氏による「デザインから新聞を変える」
日本語版
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/jacek_utko_asks_can_design_save_the_newspaper.html
「新聞の未来」については、実は前から興味深く考えていました。
というのも、最近、沖縄で制作される映画に地元の新聞社が出資するケースが出てきており、東京で行われているメディアミックス展開の、ローカル版が出来ないか?というのを常々考える中で、新聞の未来についても考える機会があったからです。
Jacek Utko氏はワルシャワのビジネス紙「Puls Biznesu」という新聞をリデザインされた方ですが、もちろん僕は知りませんでした。
興味深かったのは、活字だらけの新聞をリデザインするきっかけがシルクドソレイユの公演を観て「大道芸でも最高のパフォーマンスとしてアートに出来るのだから、新聞だって出来るに違いない」と考えて、リデザインしたというところ。
実際に、ビデオではリデザインされた新聞の映像が映し出されますが、正直なところ「所有したい!」と思わせるものばかりでした。
新聞と言うよりも、一つのポスターのようにしたのが秘訣で、数々のデザイン賞の受賞、そして何より、実際に部数が増えた。とのこと。
そして最後の教訓。
(1)デザインは変える事が出来る。製品だけでなく、全て。会社さえ。
(2)小さな国の小さな会社で、予算もスタッフもない状況でも、仕事のやりようによっては、誰でも最高のレベルに達する事が出来る。
素晴らしい。
僕はデザインの現場からかなり離れてしまったけど、その意識は持っていたい。と素直に思いました。あと、やっぱり新聞には新聞の、別の形の未来があるような気もしました。
個人的には、「記事やタイトルを作るスキルの開放」とか、新聞社の可能性として考えられると思います。
と、このあたりになって、初めて自分の大誤算を知りました。
僕は、プレゼンが15分前後というのは知っていたのですが、プレゼンとプレゼンの間には5分くらいの休憩が入るものだとばかり思っていました。
が、実際は、ノンストップでした。
プレゼンターの紹介もありませんから、本当に息つく暇をほぼ与えず、次から次へとプレゼンが続きます。頭の中で、直後のプレゼンについて考えを整理したりする時間もありませんし、プレゼンそのものも短い分、情報が凝縮されているので、数秒でも目を離すと大事な部分を聞き逃す可能性も高いんです。 Twitterする間もありません。Mac持って行ったならまだしも、iPhoneのキーボードでちまちま打ってる暇は確実にないんです。(フリック入力、練習しようかなぁ…)
Twitter実況しようと思っていた僕は、それを断念せざるを得ませんでした。
次はリアル。
写真家の東松照明氏による「アフガニスタン」
どんな方かは、ググって下さい。著名な写真家の方です。
ご自身が撮影したアフガニスタンの写真を見せながら、撮影時の状況や背景を解説する形でプレゼンは進みました。
当然、僕はアフガニスタンの予備知識は殆どなし。なので、文化的な背景を聞くのも知見が広がりますし、プロの写真家の写真というのは、どんな方の写真にせよ、その構図の撮り方とか 個人的にも、何枚も「おお!」と思う写真がありました。 興味深く見る事が出来ました。いわゆる政治的なメッセージのある写真というよりも、そこで暮らす、普通の人々が被写体になっていました。
続いてもリアル。
具志堅隆松氏による「ガマフヤーと不発弾」
沖縄での遺骨収集の現状とこれからの話。実際の不発弾(信管が外され、火薬の抜かれたもの)を会場に持ち込んできてらっしゃったので、本物を見る事が出来ました。
遺骨収集の現場の話的には、日本兵が殆ど。しかも、手榴弾によって自決しているものが多い。という話。胸に手榴弾を抱き、正座するような形なので、背中側の骨と下半身の骨しか残っていない。顎の骨も吹き飛んでいる。とか。
で、不発弾処理の話。以前は海に捨てていたけど、法律が変わって、海に捨てられなくなったため、国の委託を受けた企業が処分するようになった。
なので、国からの委託費>不発弾処理企業となり、金儲けの道具になっている。
何しろ、沖縄に埋まっていると予想される不発弾を計算と、処理出来る数を計算すると後80年もかかる。これを沖縄で処理施設を作り(現在は九州に運んでいる)NPOでオープンにして委託を受け、収益は難病の子供とか、人を生かす形の基金として活用したい。という話。
早速Twitterでは、「沖縄で処分する方が高効率とは限らないじゃん。」とかの呟き発生。また、具志堅氏のプレゼンで「NPOなので、全部オープンにするし、出来るんです。私は会計監査を共産党にお願いしたいくらいだ。」という発言があったのを受けて、TEDに(例え冗談でも)政治的な話が出るのは如何なものか?という指摘がありました。
僕としては「不発弾の処理施設は沖縄に作るべき」には素直に賛同。但し、それは、教育的な意味合いで、学校の授業としてや、一般県民や観光客が見る事の出来る場所である方が、「戦後処理というのが如何に時間のかかるものなのか」を広く伝える意義があると思うからです。基金についてはやや懐疑的。というのも、原資となるのが、仮に国からの不発弾処理委託の予算であるのならば、つまり税金なわけですから「なるべく使わない」方がいい。安い方がいい訳です。企業が入札(実際どうやって業者決定しているのかは不明)によってNPOよりも安く出来るなら、企業に任せた方がよろしい。
NPOが実業務的には安く不発弾処理し、高い価格で国から委託費を得て儲ける事を考えるのであれば、かなり問題ありです。
その意味でも、施設を沖縄に作って、反戦教育的観光地として入場料を取り、収益はそこから得るから、むしろ「不発弾処理の委託にかかるお金は殆どいらないし(極論、無料でもいい)入館料等で余分に得た収益は基金にも回す。」とした方が良いのでは?とか考えました。
「共産党発言」は、ライブであるという面から、TEDxRyuKyu事務局側が事前に把握出来なかった事でしょうが、確かに政治的に中立であるとするTEDのコンセプトから考えると良くないでしょう。ビデオを公開するのであれば、考慮すべき問題ですね。
しかし、政治的発言という意味においては、この日の後半にあった、ダニエル・リベスキンド「建築の17のインスピレーション」 (詳細は後述) において、(英語では何と言ってるか微妙ですが)少なくとも字幕では「私は民主主義を信じています。私は全体主義国家のために作られた美しい建物が嫌いです。そこでは人々は話すことも、投票する事も何も出来ません(中略)しかし、人々に自由を与えない社会の貧困を考えるとき、私はこのような建物を賞賛することが出来ません。」という発言にも、同じく、ちょっとした違和感を感じました。いや、 ダニエル・リベスキンド氏が個人的に賞賛しなくても良いですし、氏の発言は「賞賛されすぎ」という現状へのカウンターで、発言なさっているとは思います。しかし、それを言ったら民主主義以前の建築は全部否定されていまいます。日本の城を作ったのは、殿様なのか職人なのか?意匠は職人にあり、意匠と政治は切り分けて考えたいです。
あ!もちろん私自身は民主主義は今のところ「ベストではないがベターな答え」であると思っていますし、民主主義であるこの時代、この日本、沖縄に生まれた事は幸せだと思っています。
続いてはビデオ。
戦争写真家James Nachtwey氏による「戦争写真の衝撃」
日本語版
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/james_nachtwey_s_searing_pictures_of_war.html
各国の戦争・紛争の写真と共に、その状況の解説。
これは、もう、何と言うか、僕の言葉では説明出来ません。ゴメンナサイ。
こういった紛争や戦争をテーマにした映画も、報道写真家の映画も、僕は幾つも見ています。ルワンダで使われた蛮刀(英語だとマチェテmacheteかな)の山を見て、「ホテル・ルワンダ」を思い出したり、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を扱った「ハンティング・パーティ」とか、色々思い出しました。それらは事実がベースにあるものの、やはり作品として脚色されています。「ハンティング・パーティ」なんか、コメディ要素強いし。本物には勝てません。
平和な時代の平和な場所にいると、普段意識する事はあまりないのですが、 人類は毎日のように、地球のどこかで戦争や内紛によって多くの人を殺し、不幸な人々を大量生産しています。今は次の戦争の戦前でしかないのかも知れません。
東松照明氏、具志堅隆松氏、James Nachtwey氏の流れは「戦争を考える」という、主催者側が提示した文脈として「沖縄開催の意味」に繋がるものだと思います。
ここで午前の部終了。1時間の休憩。
ランチタイムは、お弁当が無料で配布されました。なお、開始の段階からコーヒーや水、お茶、ちょっとした茶菓子も無料で提供されています。
飲食物だけでなく、TEDxRyuKyu開催については、様々なサポート協賛があったようです。詳細は公式サイトを御覧下さい。
http://www.tedxryukyu.com/thanks.html
こういった事に太っ腹な協賛をしてくれる各企業は、素直にリスペクトです!
僕自身、これから何かの時には、協賛企業の商品やサービスをなるべく買ったり使ったりしますし、皆さんも、こういった偉い企業は積極的に褒めて下さい。次回はあなたが参加するかも知れないのですから。
弁当は幾つか選べたようですが、そもそも食事の場所が参加人数に対して小さいため、かなりの混雑だったので、特に選ばず、手前にあった玄米弁当を取りました。

味は、無料で配布される弁当としては、充分に美味しい方だと思います。
…まぁ、食事は有料でも個人的にはいいと思ったのですが、後で主催者に聞いたら、TEDxでは飲食を無料で配る事が決まっているみたいですね。
通常のTEDカンファレンスは、年会費6千ドル(今だと60万円未満か)なので、そりゃあ、飲み物も食べ物も凄いんでしょうけど。
ランチタイムは、喫煙したり、弁当食べたり、Twitterしたり、他の参加者とお話したりしました。他の参加者を紹介してくれる方もいたりしたのですが、あまり話す時間はなかったのが、ちょっとだけ残念。本当は数日やってくれると、もっといいけど(笑)、TEDxTokyoも1日だけだったし、もしかしたらTEDxは1日だけしか出来ない決まりがあるのかも。

あと、前半戦で気になったのは会場の寒さ。気温的な意味で。
当日朝は確かに結構寒かったのですが、日が昇ると外は暖かくなっていました。しかし会場は暖房がないとのことで寒いまま。設備がないのですから、誰にもどうする事も出来ず、結局TEDxRyukyuは、一日中寒いままでありました。中身は熱かったんですけどね。
そしてお昼時間は瞬く間に終了し、午後の部がスタートするのでした。
<つづく>
at 23:21, Matayoshi En, デジタル関係
comments(2), -




